平成13年度 打上川治水緑地内の池 調査報告概要<写真>



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【 注意!】
採集場所は行政が管理する治水池の為、通常は魚釣りなどは禁止です。
今回は、事前に行政の許可を得た採集であることをお知らせしておきます。

 
<採集風景>
 
採集1
 
写真右側で引網を引いているところが沈砂池です。
引網はチームの意が合わないと上手く引けません。素人が扱うには少し難しいですね。
 
採集2
 
網を一個所に手繰り寄せます。これがまた重い力仕事となります。
投棄されたコンクリートブロックなども入る時がありました。
 
採集3
 
ブルーギル・フナ・モツゴが採れています。
大型のブラックバスが採れなかったのが残念!
 
ゴミ
 
引網で取ったペットボトルなどのゴミです。コンクリート片やブロックなども引き上げました。
ゴミは行政にお願いして回収して頂きました。

 
<異常が見られた魚の写真>
 
今回の採集で異常が認められた魚の写真を公開しますが、採集魚のごく一部の症状です。
全ての魚がこういう状態であったわけではありませんので、勘違いの無いようにお願いします。
 
コイ1
 
投網で採集したコイです。このコイの体表を詳しくみると・・・
 
コイ2
 
コイの背ビレの様子です。 赤く出血したような塊の部分はイカリムシの付いた後に細菌感染により肉腫状態になったものだと思われます。
当初は、腹口類(ふっこうるい)の寄生を考えていました、腹口類は淀川水系で問題になっており、コイ科の魚 に寄生すると報告されています。しかし、専門家のご意見を伺うと中間宿主である二枚貝のカワヒバリガイ(外来種) を確認していない場合は、腹口類の可能性は低いとご指摘を受けました。
貝類についてはヒメタニシ、イシガイの2種しか確認していませんので、今後の調査でカワヒバリガイ についても注目して調べたいと考えています。
肉腫のようなものは採集したモツゴにもたくさん見られました。
 
コイ3
 
イカリムシが付いていたので取ってみると上手くイカリの部分まで引き抜くことができました。
イカリムシの体の作りは寄生先の魚から抜けないように上手くできていますね。
イカリムシは卵を産むサイクルも早く、一度発生すると完全駆除はとても難しいようです。
 
タイバラ1
 
このタイリクバラタナゴも胸ビレの付け根等に異常が見られます。
これも腹口類の寄生を考えましたが、現状ではイカリムシ寄生症の二次感染症が発病している ような状態と考えた方が適当だと考えます。
 
フナ1
 
このギンブナは口が大きく変形して横を向いています。
よくこの状態でここまで成長したと感心するくらい変形していますね。
餌を食べる事には問題なかったのかな?
 

 
<ブルーギルの写真>
 
長網2
 
エラブタが一部欠損している個体です。
集計はしていませんが、時折見かけます。
 
長網2
 
ホルマリン固定した後の撮影となっている為、魚の色が変になっています。
ブルーギル脊椎骨変形魚(上)と普通魚(下)の比較写真です。
 
長網2
 
上記と同じく比較写真です。
定規を並べて体長が分かるようにしました。
 
長網2
 
上が普通魚です。こんなに小さな個体でも精巣が発達しているのがわかります。
下は脊椎骨変形魚です。
 
長網2
 
脊椎骨変形魚の拡大写真です。
脊椎骨は融合しておらず、個々の骨に分かれているのが確認できます。
これは、卵の時の影響ではなく発生後になんらかの影響を受けて変形したものと考えます。
 
長網2
 
ブルーギル雌雄判定の為に解剖しました。
左の5匹は卵巣が、右の3匹は精巣が発達しているのが確認できます。
 
長網2
 
卵巣の発達したメスは採集した個体の中では比較的大きい個体が目立ちました。
卵の数までは数えていませんが今後の課題です。
 
長網2
 
体は小さくとも精巣は発達しています。
採集時にはお腹を押せば放精する個体もいました。
 
長網2
 
このように採集した網毎にパレットに分けて238匹を解剖していきました。
ホルマリンの臭いがたまりません・・・(^^;;;
 


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