<展示会風景:平成15年7月19日〜21日> |
当会の恩師でもあります鍋島靖信氏(大阪府立水産試験場 第1研究室長)の講演会も開催されました。 ウニの殻を手にして生態の説明、また白板にも素早くイラストを描きながら海の生き物の楽しい話を 聴かせていただきました。 |
今回の展示に関しても計画から採集、そして展示まで大変お世話になりました。 身振り手振りも交え、分かり易い言葉と説明で今回展示されている生物を一通り解説していただきました。 心より感謝とお礼を申し上げます。 |
さて、このあたりから展示した生き物を少し紹介していきたいと思います。 このカニは、大阪湾では滅多に見ることができない「ヘリトリマンジュウガニ」です。 岩穴に住み、大きいものは甲幅5cmを超えます。 奥に見える魚は「ハオコゼ」です。 背ビレや尻ビレの棘には毒があります。磯で見つけても絶対に触らぬ事! |
ナマズのような姿のこの魚は「ゴンズイ」です。 背ビレと胸ビレの棘に毒があり、触ると危険です。 第一水槽では、磯で出会う可能性のある毒魚を展示しました。 |
「イトマキヒトデ」と「ニホンクモヒトデ」が見えますね。 上の方には小動物を捕食するといわれている「ババガセ」というヒザラガイも見えます。 写真の右側に顔を出してるは「ナマコ」です。 |
タッチングプールの中身はヤドカリ・ヒトデ・カニ水槽です。 ヤドカリは「ホンヤドカリ」・「ケアシホンヤドカリ」・「ケブカヒメヨコバサミ」の3種です。 |
イソギンチャクを最良の状態で維持するために、頻繁に海水を交換しました。 維持管理が大変でしたが、おかげで綺麗な姿を見せてくれました。 これは「ヒメイソギンチャク」だと思います。 |
「イソガニ」、「ケフサイソガニ」、「カクベンケイ」磯に行けば普通に見られる種を展示しました。 海に行っても普通は「カニ」としか呼ばないので、名前をひとつでも覚えるのは良いことだと思います。 |
オスのハサミの一方が特に大きくなる「ハクセンシオマネキ」です。 メスは両方ともハサミは小さくスプーン状になっています。 この水槽には、「ヤマトオサガニ」も入れてました。 |
「カメノテ」、「フジツボ」、「オオヘビガイ」地味な生き物も展示しました。 岩に張り付いてるので採集するには手間がかかります。 |
ウニ・ヒトデ水槽の前には、アカウニ・ムラサキウニ・バフンウニの殻の実物を展示しました。 アカウニは稀にしか採れない種類らしいのですが、一番味が良いとのことです。 |
「タマキビ」が塩水を嫌って上に上がるという簡易な実験もやってみました。 他にも「テッポウエビ」を集めて、テッポウエビが発する音を聞いてみたり 「イシマテガイ」や「カモメガイ」など穿孔貝の生活の様子なども展示しました。 |
この3日間、たくさんの人に見ていただくことができました。 大阪湾の磯というと既に海岸線の1%程しか残っていないので、身近に感ずる人は 少ないかもしれませんが、「海、そのへりに住む生き物たち」というタイトルの元、 海の水辺(へり)である磯には多様な生物が力強く生きていることを実感していただけたと思います。 多くの方に感心を持って展示を見ていただけたことは、今後の水辺環境を考える上で 大きな力になるだろうと考えております。 尚、展示会終了日の翌日に、展示したハクセンシオマネキ・ヤドカリ等の生体は採集した場所 に当会役員が戻しに行きました。 <写真・文:新城> 展示会風景1へ |