淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成15年4月12日に実施されました。 1999年から毎年調査を実施していますが、桜咲く春の調査は2度目となります。 ちょうど一年前(H14年4月13日)に実施していますので、昨年のデータと比較することも可能となりました。 このようにデータを残すということは地味なことですが大切なことであると実感します。 本年は四季を通じて調査することを計画していますので、魚相の変化や、オイカワなどの 体長組成の変化などが明らかになるのではないかと楽しみにしています。 曇り時々雨という生憎の空模様だったのですが、今回も他団体からの交流参加もあり総勢27名での調査となりました。 今回の調査では定量調査(投網)で、コイ、オイカワ、コウライニゴイ、シロヒレタビラ、フナ、モツゴ、コウライモロコ、タモロコ、カマツカの9種類の魚種 を採集しました。 定性調査(タモ網等)でオイカワ、コウライニゴイ、コウライモロコ、フナ、モツゴ、シロヒレタビラ、カマツカ、タイリクバラタナゴ、コイ、カダヤシ、スジエビ、アメリカザリガニ、貝類、コカゲロウの幼生を採集しました。 魚種で言えば10種類の魚種でした。徐々に暖かくなって数が採れるようになってきたように思います。 当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
小雨が降る空模様でも朝早くからウエーダー(胴長)を装備したやる気満々の参加者の皆様。 小学生の参加者も青いカッパを装着して四股ふみ?準備OK! |
桜咲く木々を愛でながらの水生生物調査というのは少し贅沢だったかな?! でも、時折小雨が降るような空模様だったので、ここはひとつ華を添えてもらったということで・・・。(^^; 護岸に付く桜の花びらの筋が普段の水位を示しています。 いつもは1m以上水位が高く流速も早いので川に降りることができません。 我々は、事前に行政機関に調査の協力をお願いして取水ポンプを一定時間停止して調査をしています。 |
定量調査の投網を打ちました。 桜の花びらは見てる分には良いのですが、投網に大量に入ると後で取り除くのが大変。(^^;; 桜の花びらの中から魚が顔を出すという状態でした。 |
桜並木が続く川の真ん中を定性調査のグループがタモ網を持って水草の下を探っています。 初めての参加者も居られたのでタモ網の使い方だけでも戸惑われたかもしれません。 |
定量調査の投網に入ったコイです。 一度に40cmクラスの個体が4匹入り投網が破れそうでした。 調査とは言え、投網が破れるのであまり大量に入って欲しくない魚種です。 |
採集作業が終われば魚のデータ計測をして記録作業に入ります。 魚の場合、ヒレの先端まで計測する「全長」ではなく、ヒレの付け根までの「体長」で データを記録します。野外ではヒレを欠損している個体もいるので、ヒレの長さは含めません。 釣りの場合は全長を競ったりしますが、調査はでは何も競うことはありませんからね。 |
川に棲む貝です。 ドブガイ、トンガリササノハガイ、イシガイ、マシジミ、タニシ、カワヒバリガイが採れました。 |
オイカワなど計測終了後の個体群です。 計測終了後は、採集した川へ逃がします。 |
こちらは巻貝や二枚貝の計測作業中です。 まだ、砂礫の中に潜っているのか秋ほどは採れなかったようです。 |
冬場に比べると緑が増えていましたが、水草はまだまだ成長する前の状態でした。 4月上旬ではまだ河川敷きの緑も少ない状態ですから、水の中は尚更のことなのでしょう。 |
水質検査をするパックテストです。 投網を打った定点のサンプル水を集めてデータを取りました。 |
魚の計測が終わった後は、まとめ作業に入ります。 魚類、貝類、水草など各グループのリーダが調査結果の概要を説明します。 まとめ作業に入る前に、計測の終わった魚達は川に戻します。 限られた時間の中での調査となりますが、行政機関など多くの人々の協力があってこそ 継続して調査が続けられています。 この調査ポイントがホームグラウンドなのですが、積極的に動いてくれるスタッフが不足しております。 「我こそは!」と思われる近隣の方・・・是非とも参加してくださいね。(^^) <総会の報告> 当日の例会終了後、午後4時からは「ふらっと寝屋川」4階会議室にて平成15年度総会 と水生生物センター主任研究員 内藤氏の講演会を開催しました。 予算・新役員・活動計画等が承認されたことをお知らせします。 |
「淀川左岸幹線水路 水生生物調査_採集魚の写真」 へ |