シンポジウム(水辺環境の危機、淀川からのシグナル) (2008/1/12)
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 平成20年1月12日(日)13:30〜16:30 大阪工業大学 6号館8F 693号室にて
シンポジウム(水辺環境の危機、淀川からのシグナル −外来種の異常繁殖と在来希少種の危機−)が
開催されました。

主催:大阪府環境農林水産総合研究所・大阪工業大学工学部淀川環境教育センター
後援:国土交通省淀川河川事務所・環境省近畿地方環境事務所

パネラーとして当会会長が参加し、淀川体験学習と三ツ池の外来魚調査に関する発表をしました。

当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章:新城、撮影:湯川>


 
<シンポジウム(水辺環境の危機、淀川からのシグナル)>
 
シンポジウム1 シンポジウム2
 
淀川と城北ワンドを窓から見下ろせる教室がシンポジウムの会場でした。
怪しい空模様で参加者も少ないかもしれないと心配していましたが、外来魚問題等に
関心を持つ約100名が参加されました。
 
シンポジウム3 シンポジウム4
 
総合司会は、水生生物センターの宮下総括研究員。
大阪府環境農林水産総合研究所の吉田所長の開会挨拶にてシンポジウムはスタートしました。
 
シンポジウム5 シンポジウム6
 
近畿大学の細谷教授が基調講演「生物多様性の維持と外来種問題」・・・勉強になりました。
大阪工業大学の綾教授が「淀川の河川環境の変遷」の話題提供。
 
シンポジウム7 シンポジウム8
 
水生生物センターの平松主任研究員が「淀川魚類相の変遷」。
水生生物センターの内藤主任研究員が「外来水生植物の生息環境に与える影響」の話題提供。
 
シンポジウム9 シンポジウム10
 
琵琶湖を戻す会 高田氏の外来魚駆除活動に関する発表に続き、当会会長(新城)の発表と続きました。
 
シンポジウム11 シンポジウム12
 
パネルディスカッションでは、細谷教授がコーディネーターとなり会場の質問に
パネラーが答えるような形ではじまりました。
 
シンポジウム13 シンポジウム14
 
話の内容は多岐にわたり簡単には纏め切れませんが、外来魚問題に関しては、
行政であるとか、研究者、一般市民などに区分けするのではなく、できる人、
動ける人、みんなが一体となって取り組まなければならない。
というものだと受け取りました。
 
【講演要旨集から当会の活動状況写真】
 
シンポジウム15
 
【市民団体(水辺に親しむ会)から行政に対する意見を一部紹介】

 2005年6月に環境省によって特定外来生物法が施行され、当会が法制定前の2002年から 開催している無料の水生生物展示会「身近な水辺の水族園」では、特定外来生物の展示が不可能となりました。 法制定後は、写真の展示やホルマリン固定した標本展示に変更しましたが、来場者からは 生体と違い迫力が無い、標本になって可哀想、と外来種問題を普及啓発するには程遠い状況になりました。

今回のシンポジウムの後援をされている環境省近畿地方環境事務所に 外来種問題の啓発を目的とする特定外来生物の生体展示について打診したところ、 「博物館等しか生体展示は認めない。法を制定した時に一般団体の展示は想定外。」 とのコメントがありました。

特定外来生物法を制定した趣旨と重要性は十分に理解しますが、特定外来生物法の施行後、 国の普及啓発活動は十分ではないと考えます。

現実に昨年の秋、寝屋川市内では自宅裏の用水路で採集した「メダカ」を配布している 大人が居られました。当会の会員が確認すると予想どうり、特定外来生物の「カダヤシ」と 「メダカ」を区別できない人が善意で「カダヤシ」を配布していたのが実態でした。 このような事例からも外来種問題に関しては、一般への普及啓発活動は非常に重要だと考えます。

寝屋川市内の用水路では、カダヤシが優先種になっている箇所がとても多く、市内の川や池では オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ、ウシガエル等の特定外来生物が目立つのが現状です。

お金を払って博物館へ特定外来生物を見に行く人は、特定外来生物に関しても ある程度の関心と興味を持っている人であり、本来の普及啓発活動は、当会の水生生物展示会の ように市民が気軽に無料で見れるものが重要であると考えます。

「法を制定した時に一般団体の展示は想定外」と一蹴するのではなく、法制定前から外来種問題に 関して普及活動に実績のある一般団体に対しては、教育的展示目的として、出来るだけ簡単な方法で 生体の移動や展示を許可し、外来種問題について一般市民への普及啓発活動を図るべきではないかと考えます。

これからは、行政と市民がお互いに協力して外来種問題に取り組む必要があると思います。

以下に、環境基本法と環境白書から、その根拠となる条文を紹介します。
 
 
【参考資料1:環境基本法から抜粋】

(環境の保全に関する教育、学習等)
第二十五条  国は、環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに環境の保全に
関する広報活動の充実により事業者及び国民が環境の保全についての理解を深める
とともにこれらの者の環境の保全に関する活動を行う意欲が増進されるようにするため、
必要な措置を講ずるものとする。
 
(民間団体等の自発的な活動を促進するための措置)
第二十六条  国は、事業者、国民又はこれらの者の組織する民間の団体(以下「民間
団体等」という。)が自発的に行う緑化活動、再生資源に係る回収活動その他の環境の
保全に関する活動が促進されるように、必要な措置を講ずるものとする。
 
(情報の提供)
第二十七条  国は、第二十五条の環境の保全に関する教育及び学習の振興並びに
前条の民間団体等が自発的に行う環境の保全に関する活動の促進に資するため、
個人及び法人の権利利益の保護に配慮しつつ環境の状況その他の環境の保全に
関する必要な情報を適切に提供するように努めるものとする。
 
 
【参考資料2:環境白書(平成18年版)から抜粋】

平成18年度 環境の保全に関する施策
第7章 各種施策の基盤、各主体の参加及び国際協力に係る施策
第4節 地域づくりにおける取組の推進
第4節 
1地域における環境保全の現状
 (1)地方環境事務所における取組
地域の行政・専門家・住民等と協働しながら、廃棄物不法投棄対策、
地球温暖化対策、外来生物対策などに機動的できめ細かな対応を行い、
地域の実情に応じた環境施策の展開に努めます。
 


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