「第3回 水生生物採集・飼育体験学習会【里帰り放流】」(2005/11/4)
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「第3回 水生生物採集・飼育体験学習会【里帰り放流】」が11月4日に実施されました。
「水生生物採集・飼育体験学習会」は、水生生物センターと当会が共同で事業展開を図り、 昨年に引き続き3年目の企画となりました。 次世代の担い手である子どもたちに、水辺に親しむ機会を提供し、水辺の生き物に興味と関心を 持ってもらうことを目的としたものです。
 
内容は3段階に分かれます。
 
1)【採集】 地元の小学生が魚など生き物の採集を体験する機会です。
 採集活動は、淀川左岸の点野(しめの)ワンドを中心に実施しています。
 
2)【飼育・観察】 水生生物センターの協力を得て、飼育池で餌やりと観察をします。
 本年度より、『寝屋川ふれあい基金』の助成金を活用させていただきまして稚魚観察水槽を設置しました。 日常飼育は当会スタッフが担当し、児童は放課後を利用して、校区にある水生生物センターに立ち寄り観察水槽で成長を確認します。 また、定期的に稚魚観察会などを催して、観察できる機会を増やします。 自分たちが捕獲した生き物の成長を確かめる事は大きな喜びにつながります。 採集時は、判別不能の稚魚が成長するにつれて徐々に魚種名が明らかになり、採集した稚魚の多様性を理解すること につながります。
 
3)【里帰り放流】 秋に成長した生き物を採集地点に返します。
 自分たちで採集した稚魚を観察し、その成長過程を教えてくれた魚達に感謝を込めて生まれた場所へ里帰りさせる活動です。 子どもたちの水辺の生き物たちへの関心を高め、自然保護・環境保全についての考えをまとめる事への、大きな一助となると 期待しています。
 
今回は、本事業の最終ステージ。
春に採集した稚魚を秋まで育てた後、採集した木屋小学校5年生の手で【里帰り放流】を実施した様子を紹介します。
 
※当会は、淡水魚の安易な放流(メダカ、コイ等)に関しては反対の立場ですが、本事業はプロスタッフ協力のもと、 放流記録を残し、リスクが最小限になるように考慮しています。 成長した外来魚ブルーギル、オオクチバス、カダヤシは駆除しています。 コイに関してもコイヘルペスの影響を考え放流対象にしていません。 現段階では、子どもたちの水辺の生き物たちへの関心を高めるために【里帰り放流】は必要なステップだと考えます。
 
<文章:新城、撮影:湯川&新城>
 

 
<里帰り放流>
 
里帰り放流1 里帰り放流2
 
当日朝から当会スタッフが、参加する児童が安全に降りられる場所を確保するため
鎌を片手に草刈に取組みました。
 
里帰り放流3 里帰り放流4
 
午前中いっぱいかけて放流ポイント周辺の草刈を終了。
 
里帰り放流5 里帰り放流6
 
児童が水辺に降りる際に利用するアルミ製ステップを組みたて安全性を向上させました。
降りる側と登る側と2箇所アルミステップを設置しました。
 
里帰り放流7 里帰り放流8
 
アルミステップを設置した後も、ゴミ拾いなど準備作業は終わりません。
 
里帰り放流9 里帰り放流10
 
いよいよ魚の搬入。ビニール袋には魚が数匹ずつ入っています。
児童の人数分用意しなければいけないので、この袋詰め作業も大変です。
 
里帰り放流15 里帰り放流16
 
放流する魚達がどれくらい成長したか確認してもらうために水槽を設置しました。
 
里帰り放流11 里帰り放流12
 
いよいよ木屋小5年生の到着です。
まずは、水生生物センターの職員さんから挨拶がありました。
 
里帰り放流13 里帰り放流14
 
続いて当会のスタッフから児童に対してお話がありました。
 
里帰り放流13 里帰り放流14
 
木屋小学校の皆さんは、お行儀良く話を聞いていました。
 
里帰り放流17 里帰り放流18
 
児童が話を聞いてる時に、舞台裏ではワンドで大繁殖しているボタンウキクサ(通称ウオーターレタス)の除去作業が続いていました。 今回、魚の放流前に、この外来植物ボタンウキクサの除去作業を児童に手伝ってもらいました。
 
里帰り放流19 里帰り放流20
 
児童はバケツに入ったボタンウキクサを手にして運び上げます。
全員が2〜3回この作業を繰り返したでしょうか。もちろん何故除去するのか理由は説明しています。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
川に降りる順番待ちの時間には、水槽を熱心に観察していました。
トラックの荷台は、子ども達が運んだボタンウキクサが山と積まれました。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
ボタンウキクサの除去作業が終了し、お待ちかねの里帰り放流が始まりました。
一人に一袋づつの魚を手渡され、自分の袋に入っている魚を観察したり見せあっていました。
そこで当会のスタッフが、これはオイカワ、ハス、モツゴ、カネヒラと魚の名前を教えます。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
放流地点は狭いので順番待ち。ひとりずつ、ビニール袋を手にして魚を里帰りさせます。
春にこの場所で採集した稚魚がここまで大きく育ちました。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
行列は続きます。綺麗なカネヒラのオスが入っている袋、大きなフナが入ってる袋。
生き物を手にしてする話は、いつもと少し違うかも。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
二人仲良く放流する児童もいました。
たくさんの児童の流れも順調で、朝一番に草刈した苦労が報われます。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
最後に、水生生物センター長からお話がありました。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
当日、放流した魚たち。婚姻色の出たカネヒラの姿が目立ちます。
 
里帰り放流21 里帰り放流22
 
児童が学校に戻り、アルミステップを解体して現場を後にしました。
最後に、児童が使ったバケツ等を綺麗に洗い本年度の事業は終了しました。
 
今回の行事も関係者の努力によって無事故で無事に終了しました。
水生生物センターのスタッフ、当会のスタッフ、そして木屋小5年生の皆さんご苦労さまでした。
来年度、平成18年度も本事業を継続したいと考えています。
 


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