淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成21年04月11日(土)に実施されました。 今回も良いお天気に恵まれました。淀川左岸水路の桜は満開で絶好の調査日和でした。 当日の気温は午前10時に21℃、午後3時には28℃まで上昇しています。 しかし、当日の水温計データは8.6〜16.1℃(平均水温10.8℃)となりましたが、 どうやら水温計の調子が悪かったようです。定点ポイントの平均pHは8.5でした。 参加人数は子ども2名を含む19名となりました。 当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> ※平成21年05月15日 藍藻の一種、プランクトスリックスに関する情報を追記しました。 |
≪活動支援御礼≫ ◎本活動は、寝屋川市の平成21年度公益活動支援公募補助金を受けています。 ◎本活動は、寝屋川ロータリークラブ 第6回市民活動支援基金(ニコニコ基金)を受けています。 |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
淀川左岸水路の桜は満開状態でした。 今年も花見をしながらの調査となりました。 |
川の減水も完了しており、予定時刻に調査開始。 川面には桜の花びらがたくさん浮いていました。 |
まずは、定量調査の投網です。 期待の第一投目は・・・・残念ながら魚の姿なし。 |
定点ポイントを移動しつつ投網を投げていましたが第二ポイントにて久しぶりに大きな手応えがありました。 バケツから尾が出るサイズのコイでした。 |
以前ほど魚の姿は見られなくなりましたが、前回の例会のように定量調査結果ゼロ
という事態は回避できました。
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今回の川の様子は少し変な印象を受けました。
河岸の桜の木や菜の花の様子は以前と変わりません。 写真左は木屋大橋から下流側の様子、写真右側は上流側の様子。 木屋大橋から下流を見た写真の右端には緑色の塊が見えます。 アオミドロ?がべっとりと張り付いているような状態でした。 |
しかし、川底の様子が例年にない状況になっていました。 雨が少なく流量があまり無かったのか、泥が深くなっており水草の育成が遅れていました。 また、木屋大橋から下流側では、アオミドロ?の群落が大きく広がり水草の成長を阻害しているようにも見えました。 石に付く特定外来生物のカワヒバリガイも以前より少なくなったような感じがします。 |
「アオミドロとは少し違うようだ」との意見が例会後に出ました。 普通のアオミドロは水中を浮遊する長い糸状体です。写真(上)参照。 今回、淀川左岸幹線水路で繁殖していたものは、直径5〜10cm大の群落が あちこちにへばりついて、こんもりと盛り上がっています。手で触ると砂地に根を 降ろしているように見えます。見なれたアオミドロとはかなり違います。 一度調べようと確認しました。 |
水生生物センターの御協力を得て、くだんの糸状体を採集し顕微鏡で見たのが写真(上)です。 約200倍ですが、アオミドロのような螺旋状の葉緑体が見られ ず、糸状体一面に葉緑体が散らばり、さや状の隔壁もありません。 ネットで調べてみると、アオミドロのような緑藻ではなく、藍藻の一種、プランクトスリックス によく似ていることが判りました。ここに記載して報告します。 この糸状体についてご存じの方、掲示板への書き込みなどでご教示頂ければ幸いです。 特に、この種の同定に関することや水生生物や環境への影響を知りたいと思います。 対処すべきことがあれば、対応するつもりですので、よろしくお願いします。 |
藍藻の一種、プランクトスリックス?の繁茂状況。 |
本年度と昨年度との比較写真 左側写真:平成21年4月11日、右側写真:平成20年4月13日 浮かんでいるのは桜の花びらですが、本年度は明らかに緑色が目立ちます。 |
本年度と昨年度との比較写真 左側写真:平成21年4月11日、右側写真:平成20年4月13日 本年度の最下流部は、緑のジュウタンを敷いたような状況でした。 昨年度は、砂地だけで緑色は見当たりません。 |
続いて、変な状況ですが・・・魚の死体が目立ちました。 まず、昨夜死んだと思われるまだ新しいコイの死体が目に付きました。 魚体には目だった傷はありませんでした。 |
続いて、フナですが目はまだ白濁しておらず水鳥に突かれた可能性があります。 そして、死後2〜3日経過してるような体長30cm程のオオクチバス。 こんなに死魚が目につくのは初めてかもしれません。 |
川での調査が終了し、魚の計測作業に入ります。 初参加の親子チームは大きなコイや魚の姿に興味津々。 |
数はそんなに多くはなく、魚の計測は早々と完了。 元気に良いコイの計測には少々手間取りました。コイの最大体長は455mmでした。 |
子供たちは、魚以外にも水生昆虫のフタオカゲロウの幼虫に興味を持っておられたようです。
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バケツの中を覗き込んでじっくりと観察。 |
今回、コイは3尾。体長は455mm、450mm、420mm。 二枚貝はイシガイとササノハガイ、シジミが採集されました。 川の石の裏にはカワヒバリガイの姿も確認しています。 |
小さなミシシッピアカミミガメの姿もありました。 計測が終了し、まとめの報告をして春の例会は無事終了となりました。 その後、午後から平成21年度水辺に親しむ会総会を開催し、全ての議事の承認を得ました。 総会において、新役員として2名の方が就任されました。 若い力と団塊世代のパワー結集して当会の活動を盛り上げ、左岸水路調査などを通じて 水辺環境保全、子供たちや地域の人たちへの環境保全啓発等、地域コミュニティの活性化に 少しでも貢献できればと考えます。 総会の特別講演として水生生物センターの平松主任研究員から「魚類の進化」 についてのお話をしていただきました。 |
内容的には少々難しいところもあったかもしれませんが、興味深いお話を聞くことができました。 平松先生ありがとうございました。 |
調査が終了し帰路につく頃には、左岸水路の水量は元に戻りつつあり
川面を花筏が列を作りながらどんどん流れていました。 |
【今回の採集状況】 今回採集した魚種は、カマツカ、コウライモロコ、オイカワ、モツゴ、メダカ、コイ、フナの7魚種を確認。 貝類は、イシガイ、ササノハガイ、シジミ、カワヒバリガイが採集・確認されています。 その他、スジエビ、アメリカザリガニ、ミシシッピアカミミガメ、フタオカゲロウの幼虫を確認しています。 詳細データは次号の会報にて報告予定です。 |