桜の咲く季節、淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成20年4月13日(日)に実施されました。 桜も終わりかけになって川面には花筏(はないかだ)がたくさん浮かんでいました。 今回もお天気に恵まれました。参加人数は子ども1名を含む17名となりました。 春になり採集尾数も増えることを期待したのですが、昨年の春例会と同様に調査結果は寂しいものとなりました。 淀川本流も、淀川左岸幹線水路もかなり悪い状況になっているように思えます。 例会終了後には、平成20年度総会を開催し全ての議事の承諾を得ました。 当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
≪活動支援御礼≫ ◎本活動は、NPO法人地育フォーラムの「地育がんばるファンド助成金」(50,000円)を受けています。 ◎本活動は、平成20年度寝屋川市公益活動支援・にぎわい創出公募補助金(35,000円)を受けています。 |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
桜の花もそろそろ終わりですが、桜の花びらが浮かぶ川に入ると春を感じます。 一週間前は満開でした。景観上、その時期は淀川からの取水ポンプは停止できません。 |
朝9時、調査開始のミーティングの後、川に入る準備をします。 胴長はいて、バケツ持って、タモ網担いで・・・準備OK! |
ハシゴを使って川へ降りていきます。 水位は十分に下がっており、調査するには良い状態でした。 |
川に降りたら、まずは定量調査の投網です。 定点ポイントで投網に精通した会員が2回投げ込みます。まずは1尾採集。 |
以前、大きなナマズが採れた場所ですが・・・何も入りません。 投網を投げても逃げる魚も居ない・・・。 |
大きなフナが目立ちます。小魚が採れない。 カマツカやオイカワがたくさん採れていた場所でも姿を見かけることはできません。 |
川岸は、黄色に染まって春を感じますが、水の中は冬の状態が続いているようで、 小魚の群れが泳いでいるのをついに見かけることはありませんでした。 |
写真係がタモ網で体長50cmのコイを採集。暴れて泥だらけ・・・。 右の写真は・・・真ん中にイシガイの姿が写っています。数は少なくなりました。 |
川からの眺めは良いのですが、水の中は昨年からおかしい状況が続いているようです。 淀川本流の状態がこちらにも波及してきたような感じがします。 |
タモ網を使った定性調査隊のバケツには大きなフナが一尾。 死んでから数日経過した同サイズのフナの死体を2箇所で見かけました。 |
川での調査もそろそろ終わり・・・最後に何か大物を・・・。 |
川から上って計測作業に入ります。 今回も成果が少なく、短時間で終わってしまいそうです。 |
魚を網で掬って、全長ではなく、体長を計測します。 魚種名と体長を記録します。 |
最初はとまどっていても、慣れてくれば簡単なものです。 地味な作業ですが、こうして記録を取っているからこそ、水生生物の生息状況の変化がわかります。 |
コイは、体長50cmの個体一尾だけです。あとは大きなフナでした。 定性調査では、テナガエビやヌマエビなども採集されました。 |
こちらの魚は、スマートなのでコイのように見えますが、ヒゲがありません。 コイとフナの雑種(コイフナ)のようです。このような個体はたまに見られます。 |
魚も少なくなっていますが、二枚貝も少なくなっているように感じます。 フナも大きな個体は採れても小さな個体が殆ど見られません。 |
マシジミ?の稚貝が採れました。
ヌマエビと一緒にするとテナガエビの大きさが際立ちます。 |
例会終了後に、水辺に親しむ会の総会を開催し全ての議事の承諾を得ました。 総会後、水生生物センターの平松先生に、「西限アジメドジョウ個体群の生息現況」について の講演をしていただきました。 当会会長も平成19年度の淀川左岸水路調査結果の総括を発表しました。 |
【今回の採集状況】 今回採集した魚種は、コウライモロ、コイ、モツゴ、フナ類(ギンブナ)、 オイカワ、ブルーギルの6種とコイフナ(雑種)を確認しました。 定量調査で4種、定性調査で3種の魚種を確認。 貝類は、イシガイ、ササノハガイ、マシジミ、カワヒバリガイが採集・確認されています。 その他、フタオカゲロウの幼生、イトトンボのヤゴ、ハグロトンボのヤゴ、シオカラトンボのヤゴ、 テナガエビ、スジエビ、ヌマエビ、ミシシッピアカミミガメが採集されています。 詳細データは次号の会報にて報告予定です。 |