「淀川左岸幹線水路 水生生物調査 冬」(2007/1/28)
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淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成19年1月28日(日)に実施されました。
数日前には雨の予報が出ていたので、天気を気にしておりましたが、日頃の行いが良いからか・・・
当日は、とても良いお天気に恵まれました。冬にしては暖かい一日でした。
参加人数は16名での例会となりました。

当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城>

≪活動支援御礼≫

本活動は、財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構「平成18年度 琵琶湖・淀川の水辺を愛する活動助成」 を受けています。
助成対象活動:『淀川左岸幹線水路水生生物調査』


 
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査>
 
淀川左岸幹線水路1 淀川左岸幹線水路2
 
今日は冬の調査と思えないほど暖かく、過ごし易い調査日和でした。
揚水ポンプを停止していただき、水の減水も完了し準備万端です。
 
淀川左岸幹線水路3 淀川左岸幹線水路4
 
水生生物センターの入り口には例会の案内板と、財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構の
「平成18年度 琵琶湖・淀川の水辺を愛する活動助成」を受けてる旨の掲示。
 
淀川左岸幹線水路5 淀川左岸幹線水路6
 
朝9時に集合してミーティングの後、脚立を利用して川へ入ります。
初参加のタクミくんは、脚立を降りるのが少し怖かったかも・・・。
 
淀川左岸幹線水路7 淀川左岸幹線水路8
 
定量調査で投網を投げますが・・・なかなか魚が入りません。
タモ網の定性調査部隊に期待。
 
淀川左岸幹線水路9 淀川左岸幹線水路10
 
水草もすっかり冬芽になっており、川底は冬の装いです。
タモ網に何か入ってくれればいいのですが。
 
淀川左岸幹線水路11 淀川左岸幹線水路12
 
投網に入るのは泥ばかり・・・定点ポイントを周りますが空振りが続きます。
秋の調査で魚の採集尾数が大幅に減少したのですが、今回は更に状況が悪くなっているようです。
 
淀川左岸幹線水路13 淀川左岸幹線水路14
 
定点調査の定量調査では魚が殆ど採れず、早々に調査が終了してしまいました。
続いて投網での定性調査に切り替えて確認魚種を増やすようにしました。
 
淀川左岸幹線水路15 淀川左岸幹線水路16
 
本日の功労者は、大手ダモ部隊。
体長(尾びれを含みません)445mm、410mmのコイを2尾採集。
 
淀川左岸幹線水路17 淀川左岸幹線水路18
 
大手ダモに追い込んでいたタモ網にオオクチバスの若魚が飛び込んできました。(駆除済み)
魚が採れないので、周囲の石をめくるとタンスイカイメンが出てきました。
 
淀川左岸幹線水路19 淀川左岸幹線水路20
 
外来種のカワヒバリガイやミズムシの姿も確認しました。
今年はカワヒバリガイを中間宿主とする寄生虫腹口類が淀川水系では増えているようです。
 
淀川左岸幹線水路21 淀川左岸幹線水路22
 
オイカワが1尾だけ入ったビニール袋。とても定量調査での成果とは思えない・・・。
タクミくん、春の例会ではたくさん入ると思うのでまた来てね。
 
淀川左岸幹線水路23 淀川左岸幹線水路24
 
川での採集が終わり、計測作業に入ります。
でも、今回は採集尾数が過去最低という状況だったので、あっと言う間に終了。
 
淀川左岸幹線水路25 淀川左岸幹線水路26
 
コイは麻酔をした後、献血をしてもらいコイヘルペスの抗体検査をします。
継続的にコイヘルペスの抗体検査を実施しているのは日本では大阪府だけです。
天然のコイを定期的に捕まえるのは、一般にはかなり難しいので当会の調査は
コイヘルペス研究にも貢献しているようです。
 
淀川左岸幹線水路27 淀川左岸幹線水路28
 
以下に、採集した魚を紹介します。 左側がコイ、右側がオイカワの若魚です。
 
淀川左岸幹線水路29 淀川左岸幹線水路30
 
左側がコウライモロコ、右側がカマツカです。
 
淀川左岸幹線水路31 淀川左岸幹線水路32
 
コウライモロコは夏産まれと思われる体長2〜3cmの仔魚の姿もありました。
右側はイシガイとマシジミです。
 
【今回の採集状況】

 今回採集した魚種は、コウライモロコ、カマツカ、オイカワ、コイ、オオクチバスの5種を確認しました。
定量調査で2種類、定性調査で5種類を確認。
貝類は、イシガイ、ササノハガイ、マシジミ、カワヒバリガイが採集・確認されています。
当日の気温は10℃、各定点ポイントの水質データの平均値は、水温:7.3℃、pH:7.2でした。

 今回の特記事項としては、秋の調査に比べて更に採集魚数が減少しています。
定量調査では上・下流域の定点ポイント(No.1〜No.2、No.5〜No.6)では採集魚数0尾となっています。
水温やpH等の水質には異常は無いのですが、泳いでいる魚影も確認できませんでした。
秋と冬の調査結果から、この水路の特徴として魚が定着しているのではなく、淀川から夏までに
流入した個体が残っているだけという可能性も考えられます。
詳細データは次号の会報21号にて報告予定です。

例会後に、水生生物センター田中主任研究員から「淀川におけるKHV病の経緯について」の
講演をしていただきました。
淀川水系のコイは現在もKHV抗体価は高い値を示しているようです。
 


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