淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成18年8月16日(水)に実施されました。 当日の朝は、曇り空で暑さもしのげるかと思っておりましたが、例会開催時間になると天気に恵まれ、 非常に暑い中での調査となりました。当日の参加人数は19名となりました。 当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
≪活動支援御礼≫ 本活動は、財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構「平成18年度 琵琶湖・淀川の水辺を愛する活動助成」 を受けています。 助成対象活動:『淀川左岸幹線水路水生生物調査』 |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
今日は地元の小学校から児童が来る予定だったので、門扉には案内を掲示しました。 ポンプ停止日なので、川の水位は十分減少し魚採りの準備はOK! |
現場でもミーティングをしながら定量調査と定性調査を実施します。 定量調査は、投網を指定ポイントで2回投げる方法で行います。 |
今回は、各定点ポイントで例年にないほど大量の魚が入りました。 ひと網で100匹以上も入ることもあり、取り込みも大変です。 |
定量調査が終わったポイントで子どもたちが、水生生物センター研究員の指導で魚採りをしています。 大手ダモとタモ網を使って何が採れたのでしょう? |
5ポイントの採集地点のうち、4ポイントでオオクチバスの若魚を採集しました。 オオクチバスは増加傾向にあります。 |
大きなタナゴは、カネヒラです。 今年は2年前と同様に大量に採集されました。 |
投網の取り込みはバケツの中で行います。カネヒラはフナ類よりたくさん採集されました。 その横では計測器を用いて、水温、PH、溶存酸素などの水質データを計測し記録します。 |
砂底を這うイシガイの様子です。マシジミやカワヒバリガイも確認しました。 二枚貝のうちドブガイは今回も確認できませんでした。 |
採集した水生生物の計測をし、二枚貝にはマーキングしました。 非常に暑い中、計測数も多く大変な作業となりました。 |
今回、初めてアユを確認しました。淀川左岸幹線水路での確認魚種はこれで26種となります。 ハスも数は少ないものの確認することができました。 |
珍しくコウライモロコの背曲がりした個体を採集しました。 ニゴイも30cmを越える個体は初めての採集です。 |
婚姻色の出たシロヒレタビラも極わずか採集できました。カネヒラに比べ減少が著しいので今後も要注目の種です。 タモロコも少数ですが、確認できました。 |
定性調査では、大きなナマズやコイが採集されました。 オイカワも数は少なくなりましたが、婚姻色が鮮やかな個体が目立ちました。 |
オイカワのオスに発生する追星です。 とても発達している個体がいましたので、撮影してみました。 |
定性調査で体長350mmのオオクチバスが採集されました。 ご覧の通り、大きな口を持っています。 |
オオクチバスは胃の内容物を確認するため解剖しました。
胃の中からは、魚肉の塊がでてきました。 餌となった魚種は確認できませんでしたが、背骨等があったので魚には間違いありません。 また、お腹が膨れた仔バスのお腹からは、小さなコウライモロコが出てきました。 体長の半分ほどの魚を食べていました。 |
【今回の採集状況】 今回採集した魚種は、ニゴイ類、コウライモロコ、カネヒラ、カマツカ、フナ類(ギンブナ・ゲンゴロウブナ)、 オイカワ、モツゴ、オオクチバス、タモロコ、ハス、シロヒレタビラ、タイリクバラタナゴ、コイ、ヒガイ類、アユ、ナマズ の16種を確認しました。定量調査で15種類、定性調査で10種類を確認。 貝類は、イシガイ、ササノハガイ、マシジミ、カワヒバリガイが採集・確認されています。 その他、アメリカザリガニが採集されています。 当日の気温は34℃、各定点ポイントの水質データの平均値は、水温:29.2℃、pH:6.8でした。 今回の特記事項としては、春の調査では非常に少なく1尾しか確認できなかったニゴイが大量に採集されました。。 合わせてカネヒラも大幅に増加しています。反面、オイカワは昨年度と比較して半数になっています。 殆どの定点ポイントでオオクチバスを確認していることも憂慮すべき事態です。 詳細データは次号の会報18号にて報告予定です。 |