桜咲く春の淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成18年4月16日(日)に実施されました。 事前の天気予報では雨を覚悟していたのですが、当日は、お天気に恵まれ最高のコンディションでした。 春の例会の参加人数は総勢16名。例会終了後には、平成18年度総会を開催し全ての議事の承諾を得ました。 総会後には、水生生物センターの平松先生に講師をお願いして「水生昆虫」をテーマとした講演会を聴講しました。 当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
≪活動支援御礼≫ 本活動は、財団法人琵琶湖・淀川水質保全機構「平成18年度 琵琶湖・淀川の水辺を愛する活動助成」 を受けています。 助成対象活動:『淀川左岸幹線水路水生生物調査』 |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
桜の咲く季節に水に入って魚採りをすると春を実感します。 週間予報ではずっと雨だったので心配していましたが・・・当日はお天気でよかった。 定量調査は、投網を指定ポイントで2回投げる方法で行います。 |
矢板が目印の定点撮影しているところから桜を眺めます。砂泥底で水草も多いです。 奥に橋げたのような物が見えますが、下流側からこれを見ると隣の写真となります。 こちらは三面コンクリート張の水路となり生物相が一変します。水草が無い・・・。 |
大きなコイが投網にかかると取り込みが大変です。 シロヒレタビラも婚姻色が綺麗に出ていました。 |
大手ダモとタモ網による挟み撃ち採集法。 大型のコイなどが採れることがありますが、今回は桜の花びらが大量に・・・。 一番下流のポイントでは、二枚貝の調査をしています。 |
ヒトの背丈ほどもあるセイヨウカラシナの群落が春色を演出します。 各ポイントで水温やPHなどの水質データを採取し記録します。 |
採集が終われば、魚の同定と体長計測を素早く行います。 今回は、いつもたくさん採れるニゴイが大幅に数を減らしていました。 |
二枚貝はマジックでマーキングをして再放流します。 二枚貝の計測には、会員手作りの計測器と手作りの椅子が活躍します。 いろいろな道具を手作りするマイスターが当会には居られます。(^^) |
シロヒレタビラは婚姻色が綺麗にでていました。 定性調査で、メダカが6尾も採集されましたが、前日の雨で近隣の用水路が流されてきた可能性があります。 |
定性調査では、小さなヨシノボリも採集されています。 イシガイが多いので底性魚もたくさん居るはずなんですがヨシノボリはあまり採れません。 カマツカは多く生息しているので二枚貝のグロキジウムは、カマツカを利用しているのかな? |
投網の腕を振るって頂いた後は、講演会で「水生昆虫」のお話をしていただきました。 水生生物センターの平松先生ありがとうございます。 |
総会終了後、ミズアオイの種子の発芽状態を確認しました。 小さな芽が出ている鉢を確認しました。 |
番外となりますが、平松先生の講演会「水生昆虫」を聞いた影響もあり、 たまたま例会の定性調査にて、フタオカゲロウの幼虫が20匹採集されましたので 一部を持ち帰り飼育してみました。 左:5月2日 亜成虫(あせいちゅう)となりました。 右:5月4日 成虫に脱皮するところで羽が脱皮殻に引っ掛かって羽の先端が欠損しました。 ※亜成虫では、羽が黒っぽい状態ですが、成虫になると羽が透明になるようです。 これでフールドで出合った時に、亜成虫と成虫の見分けが付きますね。 |
【今回の採集状況】 今回採集した魚種は、オイカワ、コウライモロコ、カマツカ、フナ類(ギンブナ・ゲンゴロウブナ)、 モツゴ、シロヒレタビラ、コイ、タイリクバラタナゴ、ニゴイ、メダカ、ヨシノボリ類の11種を確認しました。 定量調査で9種類、定性調査で9種類を確認。 貝類は、イシガイ、ササノハガイ、マシジミが採集・確認されています。 その他、アメリカザリガニ、フタオカゲロウの幼虫が採集されています。 当日の水質データの平均値は、水温:12.6℃、pH:6.8でした。 今回の特記事項としては、通常多く確認できるニゴイが1尾しか確認できませんでした。 ハス、カネヒラ、オオクチバス、ブルーギルも確認していません。 定性調査でメダカが6尾確認されています。 前日の雨で、水田の用水路から流れ込んだ可能性があります。 詳細データは次号の会報にて報告予定です。 |