淀川左岸幹線水路での水生生物調査が平成17年10月16日(日)に実施されました。 前日は大雨だったので心配しましたが、当日は、お天気には恵まれ最高のコンディションでした。 しかし、前日の雨の影響でポンプ停止時間が遅れた為、調査当初は水位が比較的高くて魚が水草に隠れていた状況でした。 秋の例会の参加人数は沖縄や名古屋からの参加者を含めて総勢22名でにぎやかな例会となりました。 例会と同時に淀川ワンド産稚魚観察会も実施しました。 今回は、例会参加者にも本年度新規設置の稚魚観察用120cm水槽を観察していただきました。 当日の例会の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
<淀川左岸幹線水路 水生生物調査> |
前日の雨の影響で水位が高かった為、ミーティング後、まずは稚魚観察水槽を見学。 説明パネルなども充実して展示目的などの意図がハッキリと伝わるようになっています。 |
ウエーダーを履いて、タモ網とバケツを持っていざ川へ・・・。 川底には水草が繁茂しています。 |
川の底質が砂礫底の箇所には水草がたくさん繁茂しています。この環境は水生生物の生活環境として重要です。 この用水路には粘土底、砂礫底、コンクリート底と短い区間に3種類の異なった底質が存在します。 |
何かが這った跡が残されています。写真写りが悪いですけど、ピンクの色が真ん中辺に見えますね。 夏にマーキングして再放流したイシガイでした。今回も、調査で採集した二枚貝はマーキングして再放流しています。 |
いつもの投網を利用した定量調査(特定の人が投網を2回投げて何が入るか調べる)は副会長が担当しました。 南国生活が続いて投網を投げることも無いようですが、投網を投げる腕は衰える事無く健在。 婚姻色の出たカネヒラが網の中に見えます。 |
コイかと思うほど大きなフナもかかりました。 採集した場所を間違わぬように採集地点ごとに番号を振ったビニール袋に入れます。 |
採集が終われば、すかさず採集部隊が計測部隊と変わり計測作業に入ります。 事前に、ポイント毎にコンテナを準備しておき、採集された魚が何処で取れたのか区別し記録します。 コイに関しては、コイヘルペス抗体検査の為、検体となっていただきました。 |
見学者もたくさんの魚の数に驚いておられました。 計測が終了した水槽では、小さな子どもたちは魚掬いを楽しんでいました。 以下に、当日採集された水生生物の一部を紹介します。 |
今回、珍しくモクズガニが採集されました。 外来種のシナモクズガニ(チュウゴクモクズガニ、上海ガニ)かと疑いの目もあったのですが 額域がシナモクズでは棘が突出。モクズガニは比較的なめらか。 前側縁がシナモクズでは4歯が明瞭に突出。モクズガニは3歯は明瞭、4歯目が痕跡的。 という違いを比較してモクズガニであると同定しました。 |
外来種のカワヒバリガイは、小さな石にもたくさん付いていました。 写真右はオイカワです。 |
左:カネヒラの雌雄です。秋が産卵期なのでオスには綺麗な婚姻色が出ます。 右:カマツカです。砂底が大好き。 |
左:ニゴイの若魚です。この場所では大型のニゴイは採集したことありません。 右:口の形状が独特なハスもたくさん採集しました。 |
左:珍しくヌマチチブの姿を見ました。 右:タウナギの若魚です。 |
左:カダヤシのオスです。メダカとは異なります。 右:おなじみのアメリカザリガニです。 |
【今回の採集状況】 今回採集した魚種は、下記のとおり14種となりました。 オイカワ、コウライモロコ、ニゴイ、カマツカ、ハス、コイ、カネヒラ、 タイリクバラタナゴ、フナ類(ギンブナ・ゲンゴロウブナ)、カダヤシ、 ブルーギル、オオクチバス、ヌマチチブ、、タウナギでした。 貝類は、イシガイ、トンガリササノハガイ、カワヒバリガイが採集・確認されました。 その他、モクズガニ、アメリカザリガニが採集されています。 詳細データは次号の会報にて報告予定です。 |