平成21年10月31日(日)9:00〜12:00 大阪府寝屋川市内にある 成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査を実施しました。 大阪府水生生物センターと協同で、今年度で7回目となります。巻き網での調査は5回目です。 (第1回、第2回は投網による調査でした。)当日は良いお天気に恵まれました。 昨年度から水生生物センターの技術指導を得て、当会が主催する形式になりました。 寝屋川市公園緑地課 及び(財)寝屋川市公共施設管理公社の協力により池の減水作業を実施していただきました。 当日の参加者は水生生物センターから3名、当会から10名、合計13名の参加となりました。 今回も無事調査が終了しました。関係者の皆様に感謝申し上げます。 当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城> |
<成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査> |
三つ池は昨年と同様の減水状況でした。 三つ池は、「魚つり禁止」ですが、釣り人が2名釣り竿を出して居られましたので 調査開始前に、当会会長が個別に調査の趣旨説明をして理解してもらいました。 |
調査の下準備を終えて、ボートの準備、在来種を計測後に入れるイケスの設置と作業を進めました。 毎年のことなので、手際よく作業が進みます。 |
ボートに巻き網を積み込み、池の奥のポイントで一回目の網入れをしました。 後述しますが、この時に一番奥のポイントには網入れが出来ない状況であることが判明しました。 |
ポイントを変えて数回巻き網を入れました。 昨年度と打って変わって、今年は水草が全く無く、網にはヘドロが目立つ状況でした。 |
ゲンゴロウブナ(へらぶな)など在来種は素早く全長を計測して在来種用のイケスへ入れます。 右の写真は採集した全長162mmのブルーギル。 |
網を引き揚げると・・・ヘドロに混じって小さなブルーギルの姿がたくさん見られました。 手分けして在来種の全長計測と外来種の計数作業を進めました。 |
この計測作業では男性と女性では作業状況に違いが現れます。 女性同士ではおしゃべりしながらでも淡々と作業を進めることができるようですが 男性陣は、黙々と数を数えることしかできません。 Nさんからの指摘で、なるほどと思ったのですが写真係の私も黙々と写真を撮っているだけでした。 |
人間観察などもしながら計測作業を進めていると、公園に来ていた方が 興味を持たれ、池に下りて来られて計測作業を見学する姿もみられました。 |
今年も小さなブルーギルの姿ばかり目立ちます。 ブルーギルは、過密状態で栄養不足になっているのでしょうか? |
ここで確認した魚を在来種を中心に紹介します。 左:カネヒラ(2年連続確認)、右:ニゴイ(初確認)誰かが放流?! |
左:コウライモロコ、右:タモロコ |
左:モツゴ 右:特定外来生物のカダヤシ |
左:ミシシッピアカミミガメ、クサガメ 右:オオヤマトンボのヤゴ |
今年の変化として、岸から2〜3m程度のところに針金の線が張られていました。 池を管理している寝屋川市などがする公共工事にはとても思えませんし意図が不明です。 |
冒頭に、一番奥のポイントには網入れが出来ない状況であることが判明しましたと書きましたが、 写真のような状況で、枯れ枝が池に投棄されていました。岸辺だけでなく、池の真ん中辺りにも枯れ枝が 出ていました。これでは、巻き網を入れることはできません。 |
現状では、オオクチバスやブルーギルの格好の棲家を提供している状態になっています。 近隣住民からは、大雨による冠水対策のために池の周囲の工事をした際、業者が邪魔に なった木を切り倒してそのまま池に放り込んだのではないかという話も聞こえてきました。 現段階では、単なるうわさ話ですので真相はわかりませんが、このままの状況が続くのであれば 現在の調査方法では対応が困難であることは間違いありません。 |
このような状況であったため、オオクチバスは1尾も採集されませんでした。 オオクチバスが居なくなったわけではなく、枯れ枝の下に隠れているものと思われます。 今年は、水草もなくヘドロの量がかなり増えたように思います。 三つ池は、歴史のある池ですが可能であれば一度、「池干し」も考えた方が良い時期に来ているのかもしれません。 特定外来生物の一掃と、泥んこになりながらの魚採り、在来種に関しては水生生物センターに協力をお願いして 畜養池に一次的に避難すれば良いでしょう。地域の人たちを巻き込みながら日頃は公園から眺めるだけの 「三つ池」に直接触れる機会とすれば、地域活性化のイベント等に活用できる可能性があると思います。 |
【今回の採集状況】 今回採集した水生生物は、下記のとおりでした。(カッコ内は尾数) ブルーギル(1,233)、カダヤシ(187)、モツゴ(763)、ヨシノボリ(60)、タモロコ(2)、フナ類(24)、 コウライモロコ(2)、カネヒラ(2)、コイ(1)、ニゴイ(2)、スジエビ(392)、テナガエビ(15)、 ミシシッピアカミミガメ(2)、クサガメ(1)、ヤゴ(3)、アメリカザリガニ(1)でした。 オオクチバスは採集できませんでした。 ブルーギルの最大全長は162mmでした。例年に比べて採集尾数も半減しています。 特定外来生物は、適正に処分しました。 タモロコ、コウライモロコ、カネヒラを再確認しました。 新たにニゴイ2尾、テナガエビを確認しています。 流入河川のない池なのでニゴイが何処から来たのか分かりません。 外来魚だけではなく在来魚でも同じように放流があるようです。 今年は例年たくさんのオオクチバスが採集される箇所に、枯れ枝が大量に投入されており 巻き網を入れることができませんでした。オオクチバスが居なくなった訳ではないと考えます。 オオクチバス等の格好の隠れ家となっていると思われます。 また、釣り防止の為か目的はハッキリしませんが、針金により岸辺に近づけないエリアがありました。 |
オオクチバス | |||||
ブルーギル | |||||
カダヤシ | |||||
ウシガエル | |||||
オタマジャクシ(ウシガエル) | |||||
モツゴ | |||||
ヨシノボリ | |||||
タモロコ | |||||
フナ類 | |||||
コウライモロコ | |||||
オイカワ | |||||
タイリクバラタナゴ | |||||
カネヒラ | |||||
コイ | |||||
コイフナ | |||||
ニゴイ | |||||
スジエビ | |||||
テナガエビ | |||||
ミシシッピアカミミガメ | |||||
クサガメ | |||||
ヤゴ | |||||
アメリカザリガニ |
【参考:外来生物法について】 オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ、ウシガエル等は、外来生物法施行令により特定外来生物として指定されました。 これにより日本国内での、特定外来生物としての飼育、保管及び運搬することが原則禁止、 野外へ放つ、譲渡し、引渡しなどをすることなどが禁止されています。 この法律に違反して、特定外来生物を野外に放したりすると、個人では最大3年以下の懲役若しくは 300万円以下の罰金、法人では1億円以上の罰金となります。詳細は環境省のHPを見てください。 外来生物法の概要 |