成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査 (2008/11/02)
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 平成20年11月2日(日)9:00〜12:00 大阪府寝屋川市内にある
成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査を実施しました。
大阪府水生生物センターと協同で、今年度で6回目となります。巻き網での調査は4回目です。
(第1回、第2回は投網による調査でした。)当日は良いお天気に恵まれました。

 本年度から水生生物センターの技術指導を得て、当会が主催する形式になりました。
寝屋川市公園緑地課 及び(財)寝屋川市公共施設管理公社の協力により池の減水作業を実施していただきました。
当日の参加者は水生生物センターから3名、当会から子供4名を含む17名、合計20名の参加となりました。
当日の水質データは、水温17℃、pH9.2、導電率33mS/cm、濁度300、DO9.9でした。

今回も無事調査が終了しました。関係者の皆様に感謝申し上げます。

当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城>


 
<成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査>
 
外来魚駆除1 外来魚駆除2
 
三つ池は昨年と同様の減水状況でした。
まず最初に池の端に、在来種を計測後に入れるイケスを設置しました。
 
外来魚駆除3 外来魚駆除4
 
三つ池の排水口です。行政に依頼し、調査の一週間前から減水作業をお願いしました。
減水に際しては、排水口に金属ネットを設置し外来魚の流出を防止します。
 
外来魚駆除5 外来魚駆除6
 
ボートに巻き網を積み込み、池の一番奥のポイントへ出発。
ボートの漕ぎ手の技量が発揮されます。
 
外来魚駆除7 外来魚駆除8
 
池の対岸では、タモ網で様子を探りに行った会員の下でミニ観察会が開催されていました。
特定外来生物のカダヤシだらけ・・・との事でした。
 
外来魚駆除9 外来魚駆除10
 
巻き網は専門の技術が必要です。
魚も賢いので素人対応では思うような成果が出ないかも・・・。
 
外来魚駆除11 外来魚駆除12
 
網を引き揚げると・・・大きなゲンゴロウブナ(ヘラブナ)とオオクチバスの姿が目立ちました。
ウシガエルの下には、無数の小さなブルーギルの姿が見えます。
 
外来魚駆除13 外来魚駆除14
 
在来種は、素早く計測してイケスへ移動させます。
オオクチバスは計測後・・・。
 
外来魚駆除15 外来魚駆除16
 
ここで確認した魚を在来種を中心に紹介すると、左:大幅に数を増やしたモツゴ、右:タモロコ。
 
外来魚駆除17 外来魚駆除18
 
左上:オイカワ、左下:コウライモロコ、右:コイ(白い色ゴイ)
 
外来魚駆除19 外来魚駆除20
 
左:ヨシノボリとスジエビ、右:何故かカネヒラが採集されました。誰かが放流したとしか・・。
 
外来魚駆除21 外来魚駆除22
 
左:特定外来生物のカダヤシ、右:体型はコイですが、ヒゲの無いコイフナ
 
外来魚駆除23 外来魚駆除24
 
計測作業は手馴れた会員が担当してもなかなか終わりません。
子供たちもお手伝いしてくれました。
 
外来魚駆除25 外来魚駆除26
 
在来種を優先に計測して記録を残します。
尾数が多いので集計作業も大変です。
 
外来魚駆除27 外来魚駆除28
 
石井先生のお魚講座がはじまりました。
これは在来種のモツゴ、これは外来種のブルーギル・・・これは何?、これは?!。
 
外来魚駆除29 外来魚駆除30
 
オオクチバスは合計14尾確認しました。写真は調査途中の状況。
最大全長は410mm、最小全長は149mmでした。親指と比べるとバスの口の大きさが分かります。
 
外来魚駆除31 外来魚駆除32
 
採集したオオクチバスの中に奇妙な傷がある個体が2尾いました。
カッターの様な刃物で切り込みを入れた状態で放流されていました。釣り人の意図は?!
傷口は新しいものではなく周囲へも影響が広がっていました。
 
外来魚駆除33 外来魚駆除34
 
ブルーギルは小さな個体ばかりが目立ちます。
いつものことながら圧倒的な数でした。
 
外来魚駆除35 外来魚駆除36
 
大型のブルーギルでも全長140mmでした。
カメはクサガメとミシシッピアカミミガメのようなカメが採集されました。
 
外来魚駆除37 外来魚駆除38
 
ミシシッピアカミミガメに似ていますが、耳の部分が赤く無い、 爪が異様に長い、甲羅の模様が少々違うように見えました。
普通のミシシッピアカミミガメなのかもしれませんけど・・・。
 
外来魚駆除39 外来魚駆除40
 
一瞬、コクチバスかと思うような口の形でしたが、釣られて口の部分が変形し タコが出来たような形で伸びたと想像されます。
採集したオオクチバスの胃の内容物を確認しました。 小さな個体からは、ヨシノボリが出てきました。
 
外来魚駆除41 外来魚駆除42
 
この個体には、カダヤシ2尾とブルーギル1尾が出てきました。
別の個体からはアメリカザリガニが出てきました。ハサミが消化されずに残っています。
 
外来魚駆除43 外来魚駆除44
 
空胃も多かったですが、もう一個体からはスジエビが出てきました。甲殻類大好きですね。
胃の内容物を調べている間も計測作業は続きます。
 
外来魚駆除45 外来魚駆除46
 
ブルーギルは、尾数をカウントします。地道な作業が続きます。
ヘラブナも大きな個体は430mmありました。
 
外来魚駆除47 外来魚駆除48
 
計測作業もようやく終了。片付けモードに入ります。
皆さんお疲れ様でした。
 
【今回の採集状況】

 今回採集した水生生物は、下記のとおりでした。(カッコ内は尾数)
オオクチバス(14)、ブルーギル(2,509)、モツゴ(1,397)、ヨシノボリ(190)、コウライモロコ(31)、
オイカワ(3)、タモロコ(37)、フナ類(40)、コイフナ(1)、コイ(1)、カダヤシ(31)、カネヒラ(1)、スジエビ(226)
ウシガエル(1)、オタマジャクシ(18)、クサガメ(1)、ミシシッピアカミミガメ?(1)でした。
※カダヤシは巻き網の目から漏れるので参考値(たくさん泳いでいる)

 オオクチバスの最大全長は410mm、最小全長は149mmでした。
小型の個体は2尾のみ、合計14尾の平均全長は275mmでした。
ブルーギルの最大全長は140mmでした。例年同様、ブルーギルが圧倒的に多い状況でした。

オオクチバスの胃内容物はザリガニが1個体、スジエビが1個体、カダヤシとブルーギルが1個体、
モツゴが1個体、ヨシノボリが1個体、空胃が9個体でした。
性別は、オスが2個体、メスが12個体でした。卵巣と精巣は大きく発達していました。

タモロコ、オイカワ、コウライモロコを再確認しました。
新たにカネヒラ1尾、660mmのコイ1尾、225mmのコイフナ1尾を確認しています。
流入河川のない池なのでカネヒラが何処から来たのか分かりません。
外来魚だけではなく在来魚でも同じように放流があるようです。

今年はスジエビの減少が目立ちましたがモツゴが大幅に増えました。
オオクチバスとブルーギルの採集尾数は例年と変わらずでした。

毎度の事ながら、一度入ってしまった外来魚を根絶するのは非常に難しいと感じます。

 
水生生物調査結果の推移
水生生物名
平成17年度
平成18年度
平成19年度
平成20年度
オオクチバス
20
15
14
ブルーギル
2,091
1,812
2,081
2,509
カダヤシ
未計測
59
39
31
ウシガエル
オタマジャクシ(ウシガエル)
18
モツゴ
234
363
239
1,397
ヨシノボリ
107
352
84
190
タモロコ
14
37
フナ類
20
14
27
40
コウライモロコ
17
31
オイカワ
タイリクバラタナゴ
カネヒラ
コイ
コイフナ
スジエビ
17
249
791
226
ミシシッピアカミミガメ
クサガメ
ヤゴ
アメリカザリガニ

【参考:外来生物法について】


オオクチバス、ブルーギル、カダヤシ、ウシガエル等は、外来生物法施行令により特定外来生物として指定されました。
これにより日本国内での、特定外来生物としての飼育、保管及び運搬することが原則禁止、
野外へ放つ、譲渡し、引渡しなどをすることなどが禁止されています。

この法律に違反して、特定外来生物を野外に放したりすると、個人では最大3年以下の懲役若しくは
300万円以下の罰金、法人では1億円以上の罰金となります。詳細は環境省のHPを見てください。

外来生物法の概要
 


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