成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査 (2007/10/28)
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 平成19年10月28日(日)AM9:00〜AM12:00 大阪府寝屋川市内にある 成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査が実施されました。 水生生物センターと協同で、今年度で5回目となります。巻き網での調査は3回目です。 (第1回、第2回は投網による調査でした。)当日は良いお天気に恵まれました。
 例年同様、池の水位はそれほど減少しておらず、水生生物センターの研究員さんがボートを使い巻き網を入れました。
当会は、地上班として採集した魚の同定、計測、外来種と在来種の分別を担当しました。

当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城>


 
<成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査>
 
外来魚駆除1 外来魚駆除2
 
三つ池の様子は昨年と変わらない様子でした。
池の片隅で当日の段取り等の簡単なミーティングをしました。
 
外来魚駆除3 外来魚駆除4
 
さっそく巻き網をボートに積み込み、第一回目のセッティング作業に入ります。
最初の網には何が入るのか・・・外来魚ばかりだとは思うのですが・・・。
 
外来魚駆除5 外来魚駆除6
 
ボートに乗り巻き網を入れながらぐるりと目的ポイントを一回りします。
ボートの漕ぎ手の冴える技量が発揮されます。
 
外来魚駆除7 外来魚駆除8
 
網を入れた後は、網を手繰り寄せる引き上げ作業になります。
これは力作業になります。
 
外来魚駆除9 外来魚駆除10
 
最初の網には、小さなブルーギルの姿が目立ちましが、外来魚に混じって在来魚も確認しました。
在来種は、計測後、池の端に設置したイケスに入れます。
 
外来魚駆除11 外来魚駆除12
 
採集された在来種を素早く計測します。
大きなゲンゴロウブナ(ヘラブナ)の姿が目立ちましたがフナの子魚や若魚の姿はありません。
 
外来魚駆除13 外来魚駆除14
 
今回、オイカワを初採集しました。昨年初確認されたコウライモロコ、昨年採集されなかったタモロコの姿も再度確認しました。
さて、オイカワはどこから出て来たのやら・・・釣り人や飼育者が放流してるのかもしれませんね。
 
外来魚駆除15 外来魚駆除16
 
ゲンゴロウブナ(ヘラブナ)は22尾確認し、最大個体は全長は410mmありました。
ギンブナは5尾確認しています。ミシシッピアカミミガメは一個体のみ採集しました。
 
外来魚駆除17 外来魚駆除18
 
在来種では、オイカワ2尾、コウライモロコ17尾、タモロコ13尾を確認しています。
 
外来魚駆除19 外来魚駆除20
 
ヨシノボリは数が多く79尾を確認しています。在来種で数が多かったのはモツゴの231尾でした。
特定外来生物のカダヤシは39尾でしたが巻き網の目から漏れるので仕方ないですね。
タモ網で専門に狙うといくらでも採れる状況です。ウシガエルのオタマジャクシは8匹をカウントしています。
 
外来魚駆除21 外来魚駆除22
 
ヤゴ類は3匹確認しました。まだ新しいルアーも一個巻き網に入りました。
ルアー釣りも行なわれているようですね。
 
外来魚駆除23 外来魚駆除24
 
在来魚は計測後、速やかにイケスへ移動します。
計測作業は手馴れた会員が担当してもなかなか終わりません。
 
外来魚駆除25 外来魚駆除26
 
ビニール袋に入っているのは全てブルーギルです。
相変わらず、三つ池はブルーギルが多い状況です。
 
外来魚駆除27 外来魚駆除28
 
ブルーギルについては小さな個体ばかりが目立ち、大きな個体は殆ど居ない状況でした。
ブルーギルの最大全長は155mmでした。
 
外来魚駆除29 外来魚駆除30
 
オオクチバスは15尾確認しました。
最大全長は350mm、最小全長は145mmでした。
 
外来魚駆除31 外来魚駆除32
 
オオクチバスの口は、名前のとおり大きいです三つ池では何を食べているんだろう?
採集した個体のうちお腹の大きな個体2尾の胃の内容物を見ることにしました。
 
外来魚駆除33 外来魚駆除34
 
小さな個体の胃からはスジエビが3匹出てきました。
よくみると卵巣も目立つようになっていました。
 
外来魚駆除35 外来魚駆除36
 
大きな個体の胃からもやはりスジエビが出てきました。
こちらの卵巣は立派でタラコを見るようでした。もう春に向けて産卵の準備が始まっているということですね。
 
外来魚駆除37 外来魚駆除38
 
ブルーギルの大きい個体についても胃の内容物を見てみました。
こちらはゴミムシのような甲虫目の羽が出てきたので昆虫を食べていたようです。
 
【今回の採集状況】

 今回採集した水生生物は、下記のとおりでした。(カッコ内は尾数)
オオクチバス(15)、ブルーギル(2,081)、モツゴ(239)、ヨシノボリ(84)、コウライモロコ(17)、
オイカワ(2)、タモロコ(14)、フナ類(27)、カダヤシ(39)、タイリクバラタナゴ(1)、スジエビ(791)、
オタマジャクシ(8)、ヤゴ(3)、ミシシッピアカミミガメ(1)でした。
※カダヤシは巻き網の目から漏れるので参考値

 オオクチバスの最大全長は350mm、最小全長は145mmでした。
小型の個体が多いですが採集尾数は増えています。
ブルーギルの最大全長は155mmでした。例年同様、ブルーギルが圧倒的に多い状況でした。

オオクチバスの胃内容物はザリガニが1個体、ザリガニとスジエビが1個体、スジエビが8個体、
スジエビとブルーギルが2個体、スジエビとモツゴが1個体、ヨシノボリが1個体、空胃が2個体でした。
(胃の内容物に関しては、水生生物センターからの情報)

昨年確認できなかったタモロコを再確認し、新たにオイカワ2尾、タイリクバラタナゴ1尾を確認しています。
流入河川のない池なので何処から来たのか分かりません。外来魚だけではなく在来魚でも同じように放流があるようです。

今年はスジエビの増加が目立ちました。
オオクチバスの餌は豊富なので来年度産卵に加わる個体数が増えれば更に個体数が増えるかもしれません。
一度入ってしまった外来魚を根絶するのは非常に難しいですね。

 
水生生物調査結果の推移
水生生物名
平成17年度
平成18年度
平成19年度
オオクチバス
20
15
ブルーギル
2,091
1,812
2,081
カダヤシ
未計測
59
39
ウシガエル
オタマジャクシ
モツゴ
234
363
239
ヨシノボリ
107
352
84
タモロコ
14
フナ類
20
14
27
コウライモロコ
17
オイカワ
タイリクバラタナゴ
スジエビ
17
249
791
ミシシッピアカミミガメ
クサガメ
ヤゴ
アメリカザリガニ


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