成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査 (2006/10/29)
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 平成18年10月29日(日)AM9:00〜AM12:00 大阪府寝屋川市内にある 成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査が実施されました。 水生生物センターと協同で、今年度で4回目となります。巻き網での調査は昨年に続き2回目です。 (第1回、第2回は投網による調査でした。)事前の天気予報では雨が予想されていましたが、当日は良いお天気に恵まれました。
 昨年同様、池の水位はそれほど減少しておらず、水生生物センターの研究員さんがボートを使い巻き網を入れました。
当会は、地上班として採集した魚の同定、計測、外来種と在来種の分別を担当しました。

当会からの参加者は9名。当日の水温は19.1℃、pH 7.6、DO 6ppm でした。
当日の様子を一部、御紹介いたします。<文章・撮影:新城>


 
<成田公園「三つ池」の外来魚駆除と在来種調査>
 
外来魚駆除1 外来魚駆除2
 
簡単なミーティングを終えた後、池の一角に採集し計測後の在来魚を入れるイケスを設置。
水生生物センタースタッフはボートを降ろし、巻き網を投入する準備をされていました。
 
外来魚駆除3 外来魚駆除4
 
さっそく第一回目の巻き網をひきあげます。
さて、何が入るのやら・・・・。
 
外来魚駆除5 外来魚駆除6
 
第一回目の網は、ブルーギルばかりが目立ちました。
サイズ的にもあまり大きい個体はいません。
 
外来魚駆除7 外来魚駆除8
 
体長数cmのブルーギルの稚魚ばかりが目立つ状態でした。
 
外来魚駆除9 外来魚駆除10
 
最初の網に入ったオオクチバスはこの一尾のみ。
ブルーギルも一番大きな個体で手のひらサイズでした。
 
外来魚駆除11 外来魚駆除12
 
池の中をボートで移動しポイントを次々と変えて網を入れます。
池の中央がかなり深くなっているので、そこに逃げられると手が出せません。
 
外来魚駆除13 外来魚駆除14
 
何処で巻き網を引いても、ブルーギルの姿が目立ちます。
オオクチバスはそれほど数は採れませんでした。
 
外来魚駆除15 外来魚駆除16
 
網を引き上げるとすぐに在来魚と外来魚に区別して計測を実施します。
 
外来魚駆除17 外来魚駆除18
 
在来種もモツゴやヨシノボリなど小さな魚が殆どなので計測も大変です。
 
外来魚駆除19 外来魚駆除20
 
当日採集した在来種を紹介します。
左がモツゴ、右がコウライモロコです。
 
外来魚駆除21 外来魚駆除22
 
左がヨシノボリ、右がカダヤシです。カダヤシは特定外来生物に指定されているので駆除対象です。
カダヤシは目視で大量発生しているのを確認しています。巻き網の目からは上手く逃げてしまうようです。
 
外来魚駆除23 外来魚駆除24
 
左:ギンブナ、右:ゲンゴロウブナ(へらぶな)です。
 
外来魚駆除25 外来魚駆除26
 
左:ウシガエル、右:ウシガエルのオタマジャクシです。
ウシガエルも特定外来生物に指定されたので駆除対象となりました。
 
外来魚駆除27 外来魚駆除28
 
ヤゴも2種類確認しています。
左:ウチワヤンマ、右:頭が小さいのでオオヤマトンボと思いますが、トンボに詳しい方教えてください。
 
外来魚駆除29 外来魚駆除30
 
左:スジエビ、右:アメリカザリガニです。
オスのアメリカザリガニでしたがハサミが2本とも無く哀れな姿でした。
 
外来魚駆除31 外来魚駆除32
 
外来魚を入れたトロ箱は、ブルーギルで埋め尽くされました。
カダヤシとウシガエルのオタマジャクシが少々混じる程度でした。
全て水生生物センターに持ち帰り研究資料となります。
 
外来魚駆除33 外来魚駆除34
 
今回のサプライズはコウライモロコでした。 昨年は一尾も確認されていませんが、今回9尾確認されています。 流入する川が無いので、人為的に放たれた可能性もあります。 小さな個体も採集したので繁殖しているのでは?などいろいろな疑問も沸きますが、 今後継続して調査を行うことで何か見えてくるかもしれません。
 
外来魚駆除35 外来魚駆除36
 
オオクチバスは結局4尾しか捕獲できませんでした。
今回は昨年は無かったオオカナダモが大繁殖しており、魚に有利な条件になっていたかもしれません。

当日は、当会の計測した結果を速報として発表して、調査を終了しました。
詳細のデータについては、今後、水生生物センターで持ち帰った外来魚を調査して別途発表される予定です。
 
【今回の採集状況】

今回採集した水生生物は、下記のとおりでした。(カッコ内は尾数)
オオクチバス(4)、ブルーギル(推定1000)、モツゴ(363)、ヨシノボリ(352)、コウライモロコ(9)
フナ類(14)、カダヤシ(59)、スジエビ(249)、オタマジャクシ(1)、ウシガエル(1)
ヤゴ(6)、アメリカザリガニ(1)でした。
昨年は無かったオオカナダモが大繁殖しています。

昨年度と今回採集した水生生物の集計を比較すると下記のとおりでした。(カッコ内は尾数)
ブルーギルの尾数については、水生生物センターの計数結果を転載。

(水生生物名)    (前回) ⇒ (今回)
オオクチバス      (20) ⇒ (4)
ブルーギル     (2,091) ⇒(1,812)
カダヤシ      (未計測) ⇒ (59)
ウシガエル       (1) ⇒ (1)
オタマジャクシ     (1) ⇒ (1)
モツゴ        (234) ⇒ (363)
ヨシノボリ      (107) ⇒ (352)
タモロコ        (6) ⇒ (0)
フナ類         (20) ⇒ (14)
コウライモロコ     (0) ⇒ (9)
スジエビ        (17) ⇒ (249)
ミシシッピアカミミガメ (4) ⇒ (0)
クサガメ        (3) ⇒ (0)
ヤゴ          (6) ⇒ (3)
アメリカザリガニ    (0) ⇒ (1)

 オオクチバスの最大体長は310mmでした。ブルーギルの尾数が圧倒的に多い状況でした。
昨年と比較するとタモロコとクサガメ及びミシシッピアカミミガメが確認されませんでしたが、 今回は、新たにコウライモロコとアメリカザリガニを確認しています。
 昨年に比べるとオオクチバスとブルーギルの数は減少しており、大型の個体も見られませんでした。 また、反対にオオクチバスに捕食される立場の、モツゴ、ヨシノボリ、カダヤシ、スジエビなどが増加している傾向が見られました。

 オオクチバスとブルーギルに関しての詳細のデータについては、今後、水生生物センター が持ち帰った魚を調査して別途発表される予定です。
 


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